肺換気シンチグラフィーは、放射性ガスまたは放射性エアロゾルを吸入させ、肺の中に空気がどのように入っているかを画像化する検査です。肺血流シンチグラフィーが「肺動脈血流」を見るのに対して、肺換気シンチグラフィーは「局所換気」を見ます。
過去問では、薬剤名そのものだけでなく、81mKr と 133Xe の違い、洗い出し評価、V/Qミスマッチがよく問われます。
| 薬剤 | 特徴 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 81mKr | 81Rb/81mKrジェネレータから供給。酸素または空気で溶出し、持続吸入しながら撮像する。半減期は約13秒、γ線は約190 keV。 | ジェネレータ・持続吸入・多方向撮像・SPECT |
| 133Xe | 閉鎖循環式呼吸回路を用い、吸入相・平衡相・洗い出し相を評価する。半減期は約5.24日、γ線は約81 keV。 | 閉鎖回路・洗い出し・閉塞性換気障害 |
| 99mTcガス/テクネガス | 99mTc標識の微細粒子。肺胞まで到達しやすく、換気SPECTに利用しやすい。 | SPECTに向く |
| 99mTc-DTPAエアロゾル | ネブライザでエアロゾル化して吸入する。中枢気道・口腔・咽頭への沈着に注意。 | エアロゾル・沈着注意 |
81mKrは半減期が約13秒と非常に短いため、持続吸入しながら撮像します。平衡状態の換気分布を得やすく、多方向撮像やSPECTに適します。
ただし、半減期が短すぎるため、呼気中への放射能の残り方を時間的に追う洗い出し評価には不向きです。洗い出し評価は133Xeと結びつけます。
133Xeは閉鎖循環式呼吸回路を使い、吸入、平衡、洗い出しを連続的に評価できます。特に閉塞性換気障害では、呼気時に空気が抜けにくくなるため、洗い出し遅延が重要です。
一方で、133Xeはγ線エネルギーが約81 keVと低く、体内吸収の影響を受けやすいため、多方向撮像やSPECTには一般に不向きです。
V/Qは換気(ventilation)と血流(perfusion)のことです。肺血栓塞栓症では肺動脈血流が低下する一方、気道が保たれていれば換気は比較的保たれます。
つまり、換気は保たれるが血流が欠損する所見が肺塞栓症で重要です。これをV/Qミスマッチと考えます。
逆に、肺炎や無気肺、COPDなどでは換気異常も出やすく、換気低下と血流低下が同じ部位に出ることがあります。